ひきちガーデンサービスの日記

オーガニック植木屋の日常や雑感

手仕事の楽しみ

私の若い頃は女子だけ家庭科をやらされて、「良妻賢母になんかなるもんか!」と反発して、まるっきり不真面目な生徒であった。そしてまんまと悪妻愚母になった私だが、手仕事の楽しみを大人になってから知ったのだった。もっと真面目に授業に出ていればよかった。

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先日、オモチャのような小さくて軽い電子ミシンを買った。重さたったの2.2kg。片手でラクラク持ち上げられる。
洋服などの込み入ったものは作る気がなく、ちょっとした裾上げや手拭いの端っこを縫うぐらいだから、これでいいのだ。そして、押入れなどに入れてしまうと使わなくなるので、カウンターの端に出しっぱなし。ホコリだけは気をつけなくては。

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さて、さっそく作ってみたもの。それはこたつカバー。こたつの上で食べこぼして醤油のシミを作ってしまうことがあるので、大きな風呂敷のようなものを一枚かけておくと、重宝なのだが、そんなものは売っていないので、2枚の布を繋いで四方の縁を縫うだけ。できた!

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ついでに余った布で、クッションカバーもふたつ。これは人生初のコンシールファスナー付けがちょっと大変だったけど、がんばった!

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そして、壁掛け扇風機のホコリ除けカバーはクリスマス柄。クリスマスが終わったらどうしましょうねぇ。 

市販品の猫のバンダナも自分で作れることが判明。次回はこれを作ろう!

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手仕事の楽しさは、ガーデニングも同じ。花殻を摘んだり、枯れた葉を取り除いたり。地味な作業なのだが、やるとやらないとでは美しさが断然違う。そして、綺麗になった時の達成感といったら、言葉にはならない。
ときどきこのような目の前のことに集中できる時間を持てたら、毎日が楽しくなると思う。冬場のガーデニング作業はやることがほとんどないから、そういう時はソーイングで行こうと思った。

手仕事は楽しい!

 

ミシン

Eテレで水曜日午後1:30からの放送『ソーイング・ビー』をシーズン1からずっと録画して見ていて、現在シーズン6!私も昔は卓上ミシンを持っていたのだけど、とにかく重くて、そのうち使わなくなってしまい、あげてしまった。でも、『ソーイング・ビー』を見るたびに、作ってみたい衝動でウズウズ。
ネットで探したら、「アックスヤマザキ」という「ヤマザキミシン」で有名なところから、重さたったの2.2キロというピンクのミシンが出てきて、もうたまらずポチってしまった。

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それが今日届いたのだけど、おもちゃみたいな可愛らしさ。本格的な洋服などを縫うつもりはなく、ちょっとしたクッションカバーや猫のバンダナぐらいを作りたいので、これでじゅうぶん。かわいいから、奥にしまいこまないで、インテリアの一部のようにカウンターテーブルに出しっぱなしにしておこうと思う。
それに、こういう手仕事は、目の前のことだけで頭が真っ白になるから、気分転換には最適。さて、どんなものが出来上がるやら。うきうき。

ハラン

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今日の昼はお稲荷さん。日が一向にささない日陰にハランが一株あると、こんなふうに皿に敷くと美味しそう見えるし、皿が汚れにくいので洗う時もラク。小さく切って、和菓子と皿の間に敷くのも、オツなもの。

地上付近にかなりエグい花を咲かせるので、花を楽しむという感じではないけど、何よりも日陰に強いこともポイントが高い。常緑で冬でも葉が青々しているので、暗くなりがちな日陰を艶やかな葉で彩ってくれる。

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私が子どもの頃は、お寿司屋さんの皿に添えられているエビの切り抜きは、このハランで作っていた。今はプラスチックのものがほとんどで、バランと呼ぶのだと最近になって知った。

植木の卸問屋さんに行くと「ハランなんてどこがいいの?」なんて言われてしまうけれど、日陰に何か植えたくて、料理好きにはまずおすすめしたい植物なのだ。

 

ジャニーズ問題から見えること

ジャニーズ問題ですが、ジャニーズに全くもって関心がなく疎い私たちですが、雑感を書いてみようと思います。なぜなら、このことは、民主主義とも深く関係があるからです。
1回目の記者会見は4時間以上で、質問者も60人以上いました。だとしたら、2回目の会見は、それ以上を想定するのが当たり前。なのに会場は狭く、2時間で区切られ、質問者は20数名。「更問い」も禁止でした。
1回目では厳しい質問が出たけれど、その中にたくさんのアイデアがあったからこそ、変えないと言っていた社名を変え、補償専門の会社にできたわけで、記者会見の質疑応答には、世間を知らないジャニーズ側にとって、ヒントはいっぱいあったはず。そういう意味では、記者会見は社会から広く意見を募る場でもあるはずです。
それを2回目に制限し、うるさい記者を外すとは、聞く耳を持たないし、変える気がないと言ってるのと同じです。
ジャニー喜多川のやったことを考えたら、「若い子をタレントとして育成する(井ノ原氏の弁)」どころではないはず。今、資金不足で児童相談所がどんどん減らされています。児童虐待で稼いでプールしたお金なら、児童虐待をなくすために使ってほしい。それこそ、お金が有り余るほどあるなら、被害者に損害賠償し、寄り添って心のケアをした上で、子どもたちに対する性的虐待を救う基金を創設するなどということもできるはず。
それと共に性加害に対する日本の認識の薄さも問題です。性犯罪の時効はたったの7年。子どもの頃の性被害は、子どもにとっては何が起きたかわからず、認識できるまでに20年や30年が費やされます。これは、子どもに限らず、大人に対する性犯罪も同じです。時効のない法律の制定を望みます。
政治家たちの記者会見の持ち方もおかしいということにも、そろそろ私たちは気づかないといけません。「更問い(質問の答えに関連して更に質問する)」ができないと、答えた人がはぐらかしたら、もう真実を聞き出すことはできません。言われたことに従順であるマスコミも目を覚ましてほしい。また、スポンサーである企業の在り方も問われています。
まだまだタブーはたくさんあります。原発事故があっても、元首相が暗殺されても変われなかった国が、ジャニーズ問題で変わることができるのか?世界中から注目されています。

ハゴロモの仲間

あまりにも繁らせすぎた木に、時々ふわふわした白いものが付いていることがある。からまりまくったキウイなんかにもいる。それはきっとハゴロモの仲間。
幼虫はまるで「リオのカーニバル」の踊り子のよう。お尻からロウ物質を出してモジャモジャの羽根みたいにしている。

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近くに成虫もいて、アミガサハゴロモに似ているが、調べたら移入種らしく、日本名はまだわからないらしい。
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幼虫と成虫で、こんなに形が違うのに、なんとこれは不完全変態で、蛹の時期がないのだ。

 

対処の方法は、中にある込みいった枝を思い切って剪定して、風通しと日当たりを良くすること。

特にハゴロモがついてる枝を拭ったりしなくても、そうすることで自然といなくなってしまう。

幼虫の金魚のようなユーモラスな顔や、サンバの羽根のようなお尻が可愛くて、私たちはけっこう好きな虫。名前も「ハゴロモ」だなんて、なんか神話性があって雅じゃないかとさえ思う。

映画『バービー』を観て

遅ればせながら、映画『バービー』を観てきた。もちろん、ピンクを着て行きましたとも(笑)。

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本国アメリカでは大ヒットで、カップルで観に行ったら、意見が割れて別れてしまった人たちも数多くいるとか。日本上映前には『オッペンハイマー』のキノコ雲と『バービー』の髪型をコラージュしたものがアメリカで流行り、それに配給元のワーナーが肯定的なコメントをつけてしまったから、さぁ大変!そんなこともあって味噌をつけられたせいか、日本では鳴かず飛ばずの映画となってしまった感がある。
映画はポップで明るくてオシャレで、ミュージカル風な場面もあり、前日、『ウーマン・トーキング』を観て、あまりのトーンの暗さに参っていた身としては、『バービー』の明るさに救われた。
バービー人形の役を人間がやっていて、そこは女権の世界。ケンは添え物でしかない。ある意味、人間の現実を人形の世界で逆転させたような感じ。
ところが、ちょっとした問題が起きて、バービーがアイデンティティクライシスを起こしてしまう。そこで、バービーとケンが人間世界に行くことに。ケンは人間界で男性が実権を握っていることに憧れを感じ、その方法を学び、人形界に戻ると、みんなを洗脳して、バービーランドをケンランドに変えてしまう。しかし、実際は仕切ることに疲れ、弱みを見せて泣くこともままならない男社会に疲れを感じてしまう。「自己認識の欠如が争いを生み出す」、「自分の存在意義を捉えるときに、女性の存在を必要としてしまう」などのセリフに、どきりとしてしまう人も多いはずだ。
圧巻シーンは、人間であり、バービーの持ち主だったグロリアが、男社会に抑圧されてる状況の不満をぶちまけるシーン。それにより、バービーたちの洗脳を解いていく。
鳥獣戯画ならぬバービー戯画によって、生々しくなりすぎず、それでいてフェミニズムについて、新しい視点から描いているところがとても新鮮だった。何しろ、バービー人形自体は、女の子を「女の子らしく」するためのお人形なのに、そこからジェンダーについて考えさせられるとは思ってもいなかったから。

 

『おしゃれな人には理由がある』読了

年とともに、だんだんと着られる服がなくなってきて、お出かけするときに本当に困る。お腹はぽっこりだし、二の腕は太いし、胸は垂れてくるし。いまだに新しく買った服が全く似合わない、なんていう失敗も。

なんとかならないかと、藁をもすがる思いで手にしたのが、私と同年代のスタイリスト・石田純子さんの『おしゃれな人には理由がある 流行を超えて役立つ、着こなしのルール62』。

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いきなり「ベージュのパンツは老けて見える」とあり、あーよかった、1本も持ってない…と安堵。
だが、「全身のテイストを揃えて着ない」となると、昭和生まれで昭和育ち、テイストを揃えるのが当たり前だった世代に生きてきた私は「???」となってしまう。同じような素材、同じような色、同じブランドで揃えてしまうと、間違いではないけど、若々しさを感じさせないというのだ。たとえば、甘いトップに甘いボトムを合わせてしまうと「ぶりっこおばさん」になり、マニッシュなトップにマニッシュなボトムを合わせるとおじさんぽくなるそうな。そこで、この両方をミックスするのだが、半々にするとアンバランスで、8:2とか7:3ぐらいがオススメ。

いや、わからーん!もうこうなったら、この著者に全身コーディネイトして欲しい!と思ったら、東京・月島に50〜60代向けのセレクトショップを持っているらしい。なお、そのお店はその人に似合うスタイルを客観的に見つけるために、オンラインショップはやっていないという徹底ぶり。遠くから駆けつけて、全身スタイリングしてもらう人もいるという。興味津々。
「おしゃれは社会性」というのにも納得。洋服とは「私はこんな人間です」というメッセージを形にしたものだと。本当にそうだ!

若い時は何を着ても、若いというだけで美しいもの。歳をとったからこそ、清潔感のある、それでいて無理な若作りではない、生きてきた迫力と品を感じさせるファッションが必要だと著者は言う。どうせもう歳だからとか、お腹が出ているから、こんな派手な色はこの歳ではムリ!とか言わないで、歳をとったからこそ、私も綺麗になりたーい!