ひきちガーデンサービスの日記

オーガニック植木屋の日常や雑感

中島みゆきコンサート『歌会Vol.1』

中島みゆきさんのコンサート『歌会Vol.1』に行ってきた。一度でいい、生の中島みゆきを聴きたい!という願いが、ようやく叶った。彼女のコンサートは、コロナ以来、実に4年ぶりだという。

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中島みゆきさんのことは、若い頃にかなり好きで、デビューしてから最初の8枚ぐらいのアルバムは全て聴き込んだが、最近はヒットしたものしかわからないので少々不安だったが、心配は杞憂に終わった。歌い上げた全19曲のうち5曲しか知らなかったけれど、じゅうぶん楽しめた。

f:id:hikichigarden:20240509083240j:imageセットリスト

若い頃のシャープな雰囲気のみゆきさんとはだいぶ異なり、みゆきさんも歳を取った。私だって歳を取ったのだから、当たり前のことだ。メガネをかけて、もうピンヒールも履いてはいなかった。だが、相変わらず透き通るような白さで美しく、72歳だというのに、こんなに声が出るものなのか⁈と驚かされた。言うまでもなく、バックを支えるバンド、ストリングス、コーラスの方たちも超一流。職人とも言えるお仕事をされていた。
そして、中島みゆきさん。彼女はミューズであり、御宣託を行う巫女であり、人々を苦しみから救う菩薩である。どれだけの人がこの人の歌に救われたのかと思うと、歌を通した菩薩行を行なっているとしか思えない。
観客の年齢層は高く、多くが60代以上に見えた。その誰もがとても慎ましやかで真面目そうで、きっといろいろなことがあったろうに、中島みゆきの歌に慰められ、励まされてここまで生きてきたんだろうなと思うと、観客の一人ひとりまでもが愛おしい。
そう、みゆきさんの歌には、いつも「私」がいる。まるで私に向かって歌いかけてくれてるように感じるのだ。
MCは相変わらずお茶目でかわいい話し方なのに、歌うと野太いビブラートでギャップが激しい。それもまた魅力。歌い出すと何かが憑依するようにも感じる。指先までの所作も美しい。

f:id:hikichigarden:20240509083312j:image会場で買ったキーホルダー

もう声を張り上げて歌うのもだんだんしんどくなることだろう。そう思うと、自分自身の老いや衰えにも考えが及び、人の世の儚さを思い知らされる。

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現代の菩薩、中島みゆきをぜひ生で聴いてほしい。なお、ドームやアリーナなどの大きなところではやらず、音の良い数千人規模のところでのコンサートになるので、なかなか抽選に当たりにくいことは、ご承知おきを。