ひきちガーデンサービスの日記

オーガニック植木屋の日常や雑感

コア山吟行

昨日は俳句結社『椋』の中の「山雀句会」で、サクラの名所、コア山へ吟行に行った。さすがにサクラは終わっていたが、コア山にはウグイスの「ホーホケキョ」の鳴き声がこだまし、それに混じってメジロの「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」が合いの手を入れ、さらにはオオルリの「ピールリポピーリ」が。こういうのを「聞きなし(聞き做し、ききなし)」と言って、鳥や動物の鳴き声を人の言葉や文字に置き換えて、覚えやすく表現する。ホトトギスの「特許許可局」なんかもそうだ。

コア山は今、サクラの頃とは、また違った味わいが宿っている。昨日のいちばんの目的は、ヤマフジを見ることだったが、時期が少し早すぎて、うっすらと見える程度。そこで、こんな一句を作ってみた。

●うっすらと山藤掛かる雑木山 からむし

「からむし」は私の俳号。虫がついているが植物の名前で、言ってみれば、たくましい雑草の仲間である。苧麻(ちょま)とも言って繊維が取れるため、古代から衣服に用いられてきた。

f:id:hikichigarden:20240427232537j:imageカラムシ

そして、なんと言っても、ここコア山には、我らが石田郷子先生の句碑があるのだ。句碑には「コア山のここに佇つべし花のころ」という俳句が、先生の文字で書かれている。石田郷子先生は鳥に詳しく、角川から出ている「大歳時記」にも、鳥の解説をたくさん書いていらっしゃる。コア山には自然にできた鳥の水浴び場があり、多くの鳥を観察できる。そのため、バードウオッチャーがシャッターチャンスを狙っていることもある。
f:id:hikichigarden:20240427132409j:image石田郷子先生と句碑

セリバヒエンソウは中国原産の外来種だが、日本の風景に違和感なく溶け込み、近年数を増やしているように思う。元々は園芸種で、明治時代ごろに輸入されたという。
f:id:hikichigarden:20240427132401j:imageセリバヒエンソウ

マムシグサとは、命名がうまくてうならされる。
f:id:hikichigarden:20240427132343j:imageマムシグサ

ヘビイチゴは足下を明るくしてくれるような黄色で可愛らしい。じきに実がなるけれど、食べても味がなくて、美味しくなかった。だが、ホワイトリカーに実を漬け込んだものは、ブヨに刺された時によく効くから、毎年作ってしまう。
f:id:hikichigarden:20240427132347j:imageヘビイチゴ

さて、次の吟行では、またどんな自然との出会いが待っていることだろう。