ひきちガーデンサービスの日記

オーガニック植木屋の日常や雑感

結社と吟行

f:id:hikichigarden:20240416172927j:image茶畑と桃の花

私たちは夫婦して「椋(むく)」という俳句の結社に参加している。結社なんていうと、まるで悪だくみしてる怪しい人たちの集まりのように聞こえるが、俳句界では、グループのことをそう呼ぶのだ。

f:id:hikichigarden:20240416214111j:image諸葛菜(しょかっさい)。ムラサキハナナともいう

我々の師は俳人の石田郷子先生で、ハルとは青春時代の友人である。たまたま、近くに越してこられて、私たちを句会に招待してくださったのだ。俳句をやったこともない私たちだったが、面白半分に覗きにいって、そのまま会員になってしまい、かれこれ13年。ちっともうまくはならないけれど、それなりに年数だけは重ねてきた。

f:id:hikichigarden:20240416171858j:image川の土手を吟行

うちの句会の特徴は、なんと言っても「吟行」だ。これも、最初は「ぎんこう」という音に「はて?」と疑問符だらけ。普段使い慣れない言葉なので、bankの「銀行」が思い浮かんでしまったのだ。まぁ、要するに、俳句のネタを拾うためのフィールドワークのようなもの。野山をみんなでワイワイ歩きながら、季節ごとの自然に目をとめ、俳句を作るのである。

途中、忘れ物をしただの、靴が汚れただの話していると、それをネタに他の人から俳句にされているので、のっぴきならない。と言いながらも、じつに楽しいのだ。

f:id:hikichigarden:20240416172904j:image蒲公英と芝桜

植物に関する仕事をしていると、カタカナ表記で植物の名前を書くのが通常だが、俳句をやるようになって、漢字での表記をだいぶ覚えた。

最初の頃は「風信子」という季語を、「なんで女性の名前?」と思ったものだが、「ヒヤシンス」と読むのだから、なかなか難しい。同じく「木通」のことも「きどおりって、どこの通り?」なんて思ったら、「アケビ」と知って赤面。そんなことを繰り返しながら、だんだんと季語を覚えていく。

f:id:hikichigarden:20240416172854j:image卯木(ウツギ)の花

俳句は、季語集と小さなノートとペンさえあれば始められるので、初期投資の少ない趣味である。句友(くゆう)である仲間は、物知りで好奇心が強く、いつも教えられることばかり。それもまた楽しみのひとつだ。

句会には月に2回参加しているので、たびたび俳句のことも投稿していこうと思う。