ひきちガーデンサービスの日記

オーガニック植木屋の日常や雑感

月刊『ねこ新聞』と私

ねこ新聞」の編集長をされていた原口美智代さんが旅立たれました。創刊した夫の原口緑郎さんが障がい者となり、志を引き継いで、美智代さんがずっとがんばって来ました。緑郎さんが昨年12月20日に亡くなり、それから半年もしないでのことでした。とても仲の良いご夫婦でした。


猫好きの私は、『二十四節気で楽しむ庭仕事』の本を、ダメ元で「ねこ新聞」に送ってみました。一度でいいから、書かせて欲しかったのです。一年近く返事はなく、有名人ばかり執筆してるから、私なんてダメだったのだな…と諦めかけた頃、美智代さんからお電話があり、「連載して欲しい」という依頼で、飛び上がるほど嬉しかったことを覚えています。憧れの作家たちと同じ紙面に載るのですから。
2年ほど連載して、連載が終わった頃、「ねこ新聞」の読者である『東京人』という雑誌の編集者からメールと電話をいただきました。私のエッセイのファンで、巻頭エッセイを書いてもらいたいとのこと。本当に『東京人』の表紙を開けると、すぐの巻頭でした。それが日本文藝家協会の2018年ベストエッセイに選ばれたのです。まるで猫の恩返しのような話です。それをことのほか喜んでくださったのが、美智代さんでした。「縁をつなげて嬉しい」と。パワフルで明るい美智代さんの笑顔しか思い出せません。

世界で唯一の「猫だけのこと」が書いてある新聞。本当にありがとうございました。

原口ご夫妻のご冥福をお祈りします。

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