今日の仕事はソヨゴについたルビーロウムシの掻き落とし。そろそろカイガラムシも春を迎えて活発に繁殖する時期なのだ。
掻き落としに使うのは、焼き鳥の竹串。尖った方で細かいところのものを落とし、平べったい頭の部分で枝いっぱい広がったものを掻き落とす。中にはカイガラムシの上にカイガラムシが重なって、キサンタンガムみたいになってるところもあるから、この竹串が役に立つのだ。
よく、「タイルが真っ黒に汚れて、ふと上を見たら、葉っぱに煤が降り注いだようになっていて、ビックリした」という話を聞く。そう、まさにそれがすす病だ。すす病はカイガラムシやアブラムシが出す排泄物(甘露)にカビが付いて発生する。そのままにしておくと、光合成ができなくて、木が確実に弱っていく。軍手をした手ですすを振り落としたり、酢を水で薄めて雑巾を浸し、よく絞って葉を拭ってやると、木は元気を取り戻していく。それと共に、すす病の根本原因であるカイガラムシやアブラムシを無農薬で退治しておくことが大切だ。
竹串でこそげ落とす
常緑樹には「陰樹」と言って、半日陰や日陰を好む種類も多い。この庭はあまりにも日当たりがよいので、ソヨゴにとっては土が渇きすぎなのかもしれない。そうして弱ったソヨゴに、どこからかやってきたルビーロウが居着いてしまったのではないだろうか。その環境に合った植物であれば、そうそう虫にもやられない。虫や病気だって、力のない弱ったものを狙ってくるのだ。
このにっくきルビーロウムシに天敵はいないのか⁈と調べたところ、ルビーアカヤドリコバチという寄生蜂がいるという。ハチは農薬に弱い。だからこそ、無農薬での庭管理が鍵になる。
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拙著『虫といっしょに庭づくり』
さて、木にしっかりとくっついているルビーロウムシだが、翅もないのにどこからやってくるのだろう?その答えは「風」に聞け!なんとこのルビーロウムシをはじめ5種類のカイガラムシの孵化幼虫が風に乗って移動することがわかっている。
しかもルビーロウムシは単為生殖なので雄さえ必要ない。メスだけでクローンを増やしていく。
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さて、ルビーロウムシを掻き落としたあとは、お手製のオーガニック・スプレー(自然農薬)を散布する。ニンニクごま油剤をたっぷり撒いて、カイガラムシが呼吸できないようにしてしまうのだ。これを2週間おきぐらいに繰り返す。
オーガニック・スプレー(自然農薬)の作り方は、拙著『オーガニック植木屋の剪定術』に詳しく出ています。
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