ひきちガーデンサービスの日記

オーガニック植木屋の日常や雑感

『虫を描く女』

 

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まだキリスト教の異端の思想の強かった17世紀に、独学で虫を観察し、研究した女性がいた。近代科学の夜明けよりずっと前、フンボルトやリンネ、ダーウィンよりずっと昔に。彼女の名前は、マリア・メーリアン。しかも、彼女はたんなる昆虫学者ではなく、画家としても素晴らしい腕を持っていた。

拙著『虫といっしょに!オーガニックな庭づくり』の旧版『虫といっしょに庭づくり』が話題になったのは、これまでの虫の本とは異なり、卵、幼虫、蛹、成虫の写真を使って、農薬を使わない天敵を利用した虫とのつきあい方を書いたからだった。それを、まさにメーリアンは17世紀にすでにやっていたのだ!彼女は植物を描き、その植物に幼虫から成虫までを描いた。その絵を見れば、メタモルフォーゼ(完全変態)の概念が一目でわかる。描写も精密で色づかいも素晴らしく、優れた描き手であった。ただし、家の中は虫たちの異臭が充満していたとか。そこまでやるか、メーリアン…。

私も完全変態に魅了されたひとりである。例えば、カマキリの赤ちゃんは生まれた時からカマキリの形をしていて、これは不完全変態という。それに対して、テントウムシは蛹の時を挟んで、幼虫と成虫の姿は全く違う。これを完全変態という。蛹のときは動かないし、食べることもしないが、その中では、子ども時代の体を一度ドロドロに溶かして、全く違う成虫の形を作っていると言われる。そういう意味では、蛹とは外側は「静」に見えて、内側は一番エネルギーに満ちた「動」の時なのかもしれない。

子どものころ、母親の再婚によって、継父や異母兄弟たちとの確執を経験し、虫だけが孤独を癒してくれたというメーリアン。その一生は苦労と喜びが複雑に絡まりあった波瀾万丈なものだった。特に52歳からの2年間を南米のスリナムで、この地の虫を研究するあたりは、まさに冒険者さながらだ。

ちょうど、テレビアニメ『チ。』を見たばかりで、中世ヨーロッパでの異端思想に対する迫害を見たばかりだったので、メーリアンが魔女扱いされずに、いや、むしろ人々から尊敬されながら69年の生涯を終えたことに安堵したのだった。

NHK出版新書・中野京子著『虫を描く女』1,200円+税

ドウダンツツジ

ドウダンツツジは春には吊り下げ型のかわいい白い花を咲かせる。

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その後、茎や葉を伸ばし、やがて秋には紅葉する。もし、紅葉しないとしたら、日当たりが悪いか、あるいは日較差(1日の最高気温と最低気温の差)が小さいか。

f:id:hikichigarden:20240428003650j:image紅葉したドウダンツツジ

花が咲かないとしたら、剪定時期が良くないのかも。剪定は刈り込みバサミで形を作るが、7月以降にキツく刈り込むと、翌春の花つきが悪くなる。どうしても7月以降にキツく刈らなくてはならない場合、表面だけを刈り込み、中の込み入ったところは、枝抜きしないようにすれば、中側で花が咲く可能性はある。

 

ドウダンツツジは一本立ちでも、生垣としても使われるが、春先の花と新芽、秋の紅葉、冬の落葉と、四季を通じて楽しめる低木である。

秋なのに…暑い!

もう10月も下旬に入ろうとしているのに、今日の暑さときたら!日中は半袖でもいいほど。

こんなに暑いのに、それでもホトトギスが咲いている!健気でじぃんとくる。

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なんとサザンカも、チャの花も!「山茶花」「茶の花」、共に冬の季語なんだけど…。

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気温の高い日が続くが、目を凝らせば季節はちゃんと巡っている。ちなみに関東の真夏日は、今年150日以上だそうで、5ヶ月以上も真夏日があるということ。これでは、四季から二季になってしまうのでは?と心配にもなってくる。当分気温は高めだそうだ。冬は来るのかな?

キンモクセイ

窓を開けると、ふうわりと甘い香りが漂ってくる。今年もキンモクセイの花が咲いたのだ!異常気象だなんだかんだと言っても、季節はちゃんと巡ってくるものなのだ。

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「トイレの香りに似てる」なんていう人もいるけれど、キンモクセイの名誉のために言っておくと、トイレの芳香剤の方がキンモクセイを真似たのだからね。

キンモクセイは雄株ばかりなので、実がならない。では、どうやってこんなに増えたのか?といえば、さし木で日本中に広がった。「え?でも、たまに実のなってるのも見ますよ」と言う人もいるかもしれないが、それはおそらくギンモクセイかウスギモクセイ。オレンジの花のキンモクセイとは異なる種だ。

f:id:hikichigarden:20241004110657j:image(ギンモクセイの写真提供:東洋文)

近年は、気温の乱高下のせいで、二度も三度も咲いたという報告をいろいろな人からいただく。二度はあるだろうが、三度も?といぶかったが、信頼のおける複数の知人から、三度咲いたという話を聞いたので、信じないわけにはいかない。

ただ、今年の夏はあまりにも暑いうえに長くて、10月になっても30度の日もあったので、ここ数年の中では、開花が遅かったように思う。今年は一度咲きなのか?それとも二度なのか?はたまた三度なのか?気象の変化を受けやすい植物で、興味深い。

虫の卵

アルミの脚立に産み付けられた何かの卵。8月28日に撮ったものは、飴色に輝いていた。産んだばかりだったのだろう。カメムシの卵に似ているが、それにしては小さすぎるかな?ちょっとなんの卵かわからない。

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それが今日、9月24日にはツヤがなく茶色く干からびていた。

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アルミの脚立の温度変化に耐えられなかったのだろうと思う。9月に入ってもずっと暑かったから。虫たちも卵を産む場所を吟味するのだろうが、たまにこういうミスも犯すんだね。

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産んだものが1匹も孵らないということは、よくあること。だから、リスクを避けるために虫は卵をたくさん産む。カマキリは一つの卵嚢に200個ぐらいの卵を産み、一生のうちにメスは7個ぐらいの卵嚢を産む。つまりは1,400匹!それでも大人になれるカマキリって、おそらく3〜4匹?そう思うと、虫たちをとても愛おしく感じる。

ミョウガ

我が家には半自生的にミョウガが出てきて、食べられるのはいつも8月の終わりから9月にかけて。つまり、秋ミョウガなのだが、今年はいつまでたっても暑いせいか、ツボミが全くできない。写真のものは、昨年のツボミ。昨年は暑いながらもこんなにドッサリ採れたのに。今年の収穫はたったの3つ。これ、我が家だけなのだろうか?それとも、他の庭でも同じような状況なのか?

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明日から秋のお彼岸だというのに、猛暑は今週いっぱい続くというし、こんな9月中旬過ぎまで熱中症アラートが出るなんて、今まで経験したこともない。

正岡子規の俳句で、「毎年よ彼岸の入りに寒いのは」というのがあるが、これは春の彼岸のこと。子規が「(春の)彼岸の入りだというのにまだ寒いね」と言ったことに対し、子規の母が返した言葉を、そのまま俳句にしたと言われている。この句をもじって、「毎年よ彼岸の入りに暑いのは」と秋の句にしたくもなってくる。いや、こんな猛暑が長く続くのは、今年だけにしてもらいたい。毎年はやめとこう。

外仕事の人間には暑いことは一番つらい。猛暑はいつまで続くのか。来年のミョウガに期待したい。

人工芝や防草シート

若い女性のお客様から、雑草に困っているから、人工芝を貼って欲しいとの仕事のご依頼があった。マイクロプラスチックは川や海だけの問題ではなく、土の問題でもある。人工芝や防草シートは最終的には劣化して粉々になり、土と混じってしまう。一度環境中に撒かれたマイクロプラスチックは、回収することは不可能である。

さらに人工芝は、現在大変問題になっているPFAS(有機フッ素化合物)が滲出しているらしいのだ。さらに、人工芝に弾力性を持たせるために充填しているゴムチップにも、発がん性や環境ホルモン作用のある物質が含まれていたという(「消費者リポート」参考)。

確かに今年のような夏の暑さでは、庭の草取りも大変だから、人工芝に気持ちが傾く人は多いだろう。だが、草があると地表温度はぐっと下がる。

我が家では雑草を刈り払い機で2週間に一度、5センチの高さで刈っている。一般的にはゴルフ場の芝を見慣れているので、思い切り短く刈ってしまう人が多いが、植物は強く切られると強く伸びる習性があるので、伸びる速度が速いのだ。だから、ラクをしたければ、5㎝がいちばん時間を稼げる。最初の3年ぐらいは、シーズン中は2週間おきに刈っていたが、長年やってるうちに3週間ぐらいのペースになってきた。草丈の高い草が生えてこなくなってきたこともあるかもしれない。下の写真は我が家の庭で、全部雑草なのだが、遠目から見たら、綺麗なグリーンに見えるでしょ?

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人工芝にしたかったお客様には丁寧に説明して、クリーピングタイムをグラウンドカバーとして植え、バークチップで園路を作ることを提案した。それでも、多少の手入れは必要になるが、それが土と共に生きるということ。時には裸足になって土を踏み締め、アーシングをしてみてほしい。それは、人工芝では、ぜったいに味わえないことだから。

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